このご時勢ゆえ、「事前確率」などという言葉を折々目にするようになったので、図書館の新着書棚にあったこの本が目に留まり、読んでみた。
ベイズ統計については、以前POPFileというスパムメールフィルタを使っていた関係で名前だけは馴染みがあったのだけど、具体的にどういうものなのかは知らず。
本書は大変分かりやすく説明してあると思う。といっても、本書の肝である第3章以降も通読するだけで、自分で手を動かして確率を求めたり式の変形をしたり、という手順は踏んでいないので、表面をサッと撫でただけの理解。家人には「まぁそこまでやらなくてもいいんじゃないの」とは言われたのだけど、いずれ時間があるときにちゃんと「お勉強」してみたい。
「ベイズの定理」そのものが生まれたのは18世紀とけっこう歴史があるけど、本書から受けた印象では、天才的・飛躍的な発見というわけではなく、何となく式を変形していたら、「あれ、これってこういう意味に取れるんじゃない?」という新たな解釈が生まれ、それが実は非常に有用だった、という話であるように見える…のだけど、合っているだろうか。
2021年1月の刊行ゆえ、「このご時勢」についても「Cウイルスに関するP検査」という例題で扱われている。