先日読んでめっぽう面白かった『鷲は舞い降りた』の続編。
これまた面白く1日ちょっとで一気に読んでしまった。とはいえ、まぁ二番煎じと言ってしまえば、それまでの本。Amazonのレビューで「作者自身による二次創作」とあったが、言い得て妙である。
たとえば『鷲は舞い降りた』が連載小説だとすると、中盤を過ぎたあたりから「○○さんを死なせるのは許せない!」みたいな剃刀入りのファンレターが届きそうなものだが、そういうファンの声に応えて書かれた続編、みたいな印象である。
本編同様、ナチスドイツ上層部内での対立、ナチスに好意的でないドイツ将官、優れた策略、スリーパーセル的存在、一癖ある「運び屋」など、この手の話を面白くするための必須要素は漏れなく揃っている。第二次世界大戦の推移や展望をきちんと盛り込んでいるところも巧み。
作品としては本編の方がはるかに上なので、その登場人物に魅力を覚えた人以外は、これに手を出す必要はないだろう。ということは、たぶん、本編を読んだ大半の人は読むべき本なのである。