基本的には文芸評論を通じて「ニッポンの小説とは何か」をひたすら考え続けていく本。544頁と大部だし、ここで取り上げられている作品はほとんど読んでいないこともあって読了に時間がかかったけど、これに先立つ『ニッポンの小説:100年の孤独』から引き続き、かなり刺激的な本だった。ひとまず、綿矢りさ『インストール』、川上弘美『真鶴』、岡田利規『わたしたちに許された特別な時間の終わり』は読んでみようかと思う。
で、そもそもこのシリーズに手を出したのは、第3部となる『「あの戦争」から「この戦争」へ:ニッポンの小説3』が出版されて、それを読みたいからなのだった。